副腎疲労の症状
身体の重だるさや何となく続く不調は年齢や忙しさのせいと考えがちです。
でもその症状は、実は副腎の疲労が引き起こしているかもしれません。
こんなお悩み
\ございませんか?/
- 疲労感が抜けない
- 朝なかなか起きられない
- 疲れているのになかなか眠れない
- 気分が落ち込む
- 食欲不振・胃もたれ・便秘など
- 炭水化物や甘いものが無性に食べたくなる
- 食後強い眠気に襲われる
そのお悩みお任せください!
副腎疲労とは?
抗ストレスホルモンの生産工場
副腎とは腎臓の一部であり、腎臓の上にある三角形をした小さな器官がホルモンの分泌を担っています。
副腎で産生されるホルモンの代表に抗ストレスホルモン(コルチゾール)があり、人がストレス状況下にあると活発に分泌されます。
その他にも副腎では様々なホルモンを産生し身体の機能を保っています。
副腎皮質ホルモン |
コルチゾール |
糖の貯蔵や産生を促進する |
コルチコイド |
電解質や糖質を代謝する |
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アルドステロン |
ナトリウムとカリウムのバランスを取る |
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副腎皮質ホルモン |
アドレナリン |
心臓の活動を上げ血糖値を上昇 |
ノルアドレナリン |
末梢血管を収縮し血圧を上昇 |
副腎は頑丈な臓器
ストレス状況において身体の活動を上げることで集中力を上げストレスに対処できるようにする役割があり、短時間の適度なストレスは身体の活動に必要な側面もあります。
ただしストレスのかかる強度や常態的にストレスのかかる環境におかれていると、副腎は慢性的に過活動に陥り、やがて疲労していきます。
副腎が疲労するとコルチゾールの分泌は不十分になり、朝起きれなくなったり疲労感が抜けず通常の活動に支障をきたす状態を副腎疲労といいます。
副腎は本来頑丈な臓器と言われ、疲労状態になってからも変化や弱化が分かりづらいため、気が付いた時には副腎ホルモンの分泌が枯渇していることになりかねません。
コルチゾールの作用
コルチゾールは副腎の中でも副腎皮質から分泌され、コレステロール(油)から合成されるステロイドホルモンです。
このコルチゾールの分泌は一定ではなく、一日の中でリズムがあります(概日リズム)
基本的に分泌は朝に最も多くなり、このおかげで朝もスッキリ起床することができます。
その後は緩やかに減少していき夜間に最も分泌が減少するため、自然と身体はリラックス状態となり入眠することができるのです。
コルチゾールは主に以下の働きをしています。
血糖値の上昇(安定化)
血糖値が低下するとコルチゾールはタンパク質から糖を産生したり、肝臓に貯蔵されたグリコーゲンを分解して血糖を上昇させ安定化を図ります。
エネルギーの産生が活性化し身体の代謝も上がります。
ストレスに対処する
身体の活動を上げたり、集中力が高まることで日常の仕事や運転など適度に緊張が必要な状況に対応できます。
炎症の抑制
腸や胃の環境悪化や皮膚の炎症など全身の炎症に対し制御する働きがあります。
アトピー症状に対して処方されることのあるステロイド薬はコルチゾールをもとに作られています。
副腎疲労の影響
血糖値のコントロールが出来ず低血糖に陥る
食事などから得た血糖(グルコース)を使い果たし血糖値が下がり始めると、コルチゾールの働きかけによって肝臓で「糖新生」や、筋肉においてタンパク質代謝、脂肪組織での脂肪分解を行い血糖値を正常に保ってくれます。
しかし副腎疲労状態ではコルチゾールが十分に分泌されないため血糖値を上げることができません。
低血糖時は身体が糖を欲するため、甘いものが食べたくて仕方なくなりやすいです。
この時に甘いものを一気に摂取すると血糖値は急激に上昇するため、今度は血糖を下げるインスリンが分泌され血糖値が急降下、再び低血糖に陥るという不安定な状態になります。
枯渇することによって無気力、朝起きれない、疲れが取れない
概日リズムによって通常朝方に多く分泌され覚醒を助けているコルチゾールですが、副腎疲労によって分泌量が不十分なため朝起きるのが辛い状態に。
夜間に低血糖状態になっているとアドレナリン・ノルアドレナリンの分泌により交感神経も興奮するため、睡眠の質も低下し身体の疲れが蓄積するばかりになります。
ストレスにより腸の消化力が低下、腸内環境が悪化する
腸の消化力が低下することで、栄養の吸収力が下がりエネルギーの産生がうまく回っていない状態になります。
腸の活動が落ちると常在菌のバランスが悪玉菌に傾き、腸内環境が悪化したことで便秘を起こしやすく、さらに毒素が体内に留まる悪循環に陥ります。
炎症を抑制できずリーキーガットが悪化
腸内環境の悪化によって腸内は慢性的に炎症状態になります。
リーキーガット症候群とは、腸管の粘膜壁が緩み小さく隙間が出来る症状で、腸壁の隙間から本来入り込むことのない有害な毒素や異物が漏れ血管内へ侵入してしまい、身体に様々な症状を引き起こします。
リーキーガットは偏った食事や慢性的な炎症状態、悪玉菌に傾いた腸内環境の状態で引き起されやすくなります。
血管内へ侵入した毒素や異物は、血液によって全身に運ばれると様々な愁訴の原因になります。
たとえば慢性疲労感や肩の痛み、頭痛、アレルギーなどといった症状の背景にリーキーガットがある場合もあります。
毒素の解毒や分解は肝臓で行われており、こうした要因が重なると肝臓は通常よりも多くの解毒をしなくてはならず疲弊していきます。
肝機能の低下はグリコーゲンの貯蔵量も減少し、低血糖状態は体内の毒素排出を滞らせるためまた肝臓に負担をかける悪循環が生まれてしまうのも問題です。
夜間低血糖とは
食事をすると、通常血糖値は緩やかに上昇した後緩やかに下降していきます。
食事から摂取した糖は血液中に溶け込み数時間ほどかけて消費されますが、その後は肝臓に貯蔵されている糖(グリコーゲン)を分解して糖を取り出し、次の食事まで血糖値を安定させています。
ただし、副腎疲労を起こしているとコルチゾールが必要量分泌できないため糖を産生するよう働きかけることが出来ず、低血糖を引き起こしやすくなります。
特に夜間寝ている間は長時間食事から糖を補うことができないため「夜間低血糖」を起こしやすくなります。
また朝方に最も多く分泌されるコルチゾールは、深夜1時~3時になるとピーク時のおよそ1/10しか産出されません。
この時間に起床していると、下がり続ける血糖値を上げることができないため交感神経が興奮しやすくなり、上がった血糖値はインシュリンによって下げられるため再度低血糖へと乱高下を繰り返します。
副腎疲労による低血糖は血糖値が低いだけでなく、血糖値のコントロールが出来なくなっていることが問題です。
睡眠の質の低下
低血糖状況の身体は、なんとか血糖値を上げるためにアドレナリン・ノルアドレナリンを活発に分泌します。
このアドレナリン・ノルアドレナリンは交感神経を興奮させるため、全身の筋肉は緊張し睡眠の質も低下してしまいます。
朝起きたときに疲れが取り切れないと感じたり、朝から首肩や腰が固く痛みを感じる場合は睡眠中の筋肉の緊張がある可能性があります。
脳のデトックスは睡眠でのみ行われるとも言われ、日々のパフォーマンスを保つためにも睡眠の質は重要な要素になります。
朝の食欲不振
低血糖状態による交感神経の興奮は内臓の機能を低下させてしまいます。
内臓が働いていないため朝食を取りたいと思えず、また食べたとしてもうまく消化できず胃がもたれたり気分が悪くなってしまうことになります。
夜間低血糖を起こした場合は特に朝の糖の補給が重要ですが、交感神経優位な状態が摂食を妨げることになりやすいのです。
体力の低下
肝臓に貯蔵した肝グリコーゲンを使い果たしてなお低血糖が続くと、今度は筋肉に貯蔵したグリコーゲンが分解されます。
肝機能低下によるグリコーゲンの貯蔵量が減少すれば、食事で補いきれない糖をまかなうために筋が次第に分解され体力の低下が進行していくことになります。
ATP(エネルギー通貨)の不足
ATPとは?
摂取した糖や栄養は代謝されることによってエネルギーに変えられ、私たちの身体をうごかしています。
「ATP」とはエネルギーを供給・運搬・貯蓄するといった重要な役割を持っていて、エネルギーを使うために必要な通貨のようなものです。
エネルギーを作ることをはじめ、ATPは身体の中で起こるあらゆる機能で必要になる単位であり、このATPが不足することは健康や命にも関わってきます。
ATPを十分に産生しエネルギー代謝を回すためにも、ATPのもとになる食事を整えることはとても重要になります。
エネルギー代謝の方法
ブドウ糖(グルコース)をもとに体内でエネルギー代謝を行うとき、本来は「クエン酸伝達回路(好気性解糖)」という回路で燃焼されることが望ましいです。
しかし糖質過多かつ栄養不足な現代の食事では、糖質の代謝時にビタミンやミネラルを必要とする「好気性解糖」を行えず、代わりに「嫌気性解糖」によって食事が代謝されがちです。
「嫌気性解糖」では糖から簡単にATPが産生できますが、結果として産生できるATPは2個しか得られません。
「好気性解糖」はATPが36個産生されるため、補給した糖から多くのエネルギーを効率的に産生することが可能な理想的なエネルギー代謝方法です。
しかし、好気性解糖に入るには同時にビタミン・ミネラルが必要になり、いずれかが欠けているとこの好気性解糖に入る事が出来ず、嫌気性解糖によって代謝されます。
食品が充足し好きなものが好きな時に食べられる飽食の時代において、カロリーや糖は過剰ながら栄養は失調している状況が起きやすくなっています。
慢性的な栄養不足はエネルギー代謝を非効率化し、代謝機能全体が低下していることで栄養の吸収力も低下、低血糖を起こしやすくさせる悪循環を招いているのです。
慢性的な不調、副腎疲労を改善するためには体内のエネルギーを回し代謝を上げていけるよう改善する必要があります。
副腎疲労の改善
適度な運動
副腎疲労の改善には適度な運動によるストレス軽減が有効です。
ウォーキングなどの負荷の少ないものからはじめ、短い時間でも続けられるものがよいでしょう。
運動による刺激は筋肉を活性化させ、長時間の同じ姿勢などによるこわばりをストレッチしてくれます。
低血糖を防ぐための補食
糖の貯蔵量が低下し血糖値を保つコルチゾールも減少している状況で、食事と食事の間の血糖値を保つためには追加のエネルギー補給が必要です。
この時、甘いものや炭水化物は血糖値を急激に上昇、その後急降下をすることになりますので血糖値の上昇が緩やかなものを選ぶのがよいです。
補食によって血糖をおだやかに維持し身体のエネルギーが足りるようになると、血糖値の乱高下が抑えられ肝臓の疲労を軽減できます。
またコルチゾールを温存することにもなり、炎症への対処や集中力の維持など必要なところへコルチゾールを送り込むことができるようになります。
効率的なエネルギー代謝のための栄養摂取
糖質過多・栄養不足な食事から、クエン酸伝達回路に必要な栄養を知り摂取することで効率的なエネルギー代謝を回せるように改善していきます。
効率のよい代謝によって身体にエネルギーが充足していると、血糖値のコントロールができるようになり副腎への負担が軽くなります。
食事のバランスが整うことで腸内環境も改善されるため、腸の炎症やリーキーガット症状に割かれていたコルチゾールは必要な組織へ送ることができるようになります。
マグネシウム (Mg) |
身体のほぼ全ての細胞代謝に必要とされるミネラル。 自律神経・中枢神経・末梢神経の興奮を抑える役割もあり、経皮吸収も可能なミネラルです。 |
ミネラルウォーター 玄米 きなこ・納豆・納豆 アーモンド あおさ・わかめ 切り干し大根 ほうれんそう |
ビタミンB群 |
エネルギー代謝をスムーズにさせる補酵素。 過剰な糖の代謝によって摂取量よりも消費量が上回りやすく不足しがちなビタミンです。 水溶性ビタミンのため大量に摂取しても尿によって排出され、毎日の補給が重要です。 |
<B6> かつお・まぐろ・鮭 たまねぎ・ブロッコリー・にんにく 玄米 <B1> 豚肉 うなぎ 玄米 <B2> レバー たまご 納豆 <B12> あさり・牡蠣 さば |
ビタミンD |
代謝に必要な他、免疫コントロール力の向上、カルシウムの吸収力を上げる役割があります。 食事からの摂取の他、太陽光にあたる事で体内で生成することができるため日光浴も有効です。 脂溶性ビタミンのため過剰な摂取には注意が必要です。 |
鮭・さんま・いわし 乾燥しいたけ・乾燥きくらげ まいたけ 卵(卵黄) 鶏もも肉 レバー |
タンパク質 |
筋肉や臓器・皮膚などを作るほか胃腸粘膜を強化する効果があり、ビタミンB6によって吸収がアップします。 食事の際は胃酸を出す食品を一緒に食べると消化が良くなります。(大根の煮物・梅干し・フルーツなど) |
豚ヒレ肉・豚もも肉 鶏むね肉・鶏もも肉 レバー さば・あじ・鮭 卵 豆腐・納豆・豆乳 えだまめ・そら豆 ブロッコリー・アボカド 玄米・オートミール |
当院の治療方法
当院では手技による内臓調整・栄養指導を行っております。
普段の生活リズムや食生活・お悩みをお伺いしながら必要に応じて治療を提供しておりますので、機能が低下した内臓の引き上げを行う場合もございます。
また必要な栄養のほか、取り入れやすい食品やアイテムについて随時お伝えして患者様の生活習慣の改善もサポートさせていただきますので、お気軽にご相談くださいませ。