肩甲骨が痛いとは、肩甲骨(けんこうこつ)まわりの筋肉・筋膜・関節に負担がかかり、背中・肩・首の付け根あたりにこり・痛み・重だるさが生じる状態のことです。結論から言うと、肩甲骨の痛みの多くは姿勢の乱れと筋肉の過緊張が原因とされており、肩甲骨まわりをほぐすストレッチと整骨院でのアプローチが改善に役立つとされています。この記事では整骨院の現場経験をもとに、原因・自宅でできるケア・整骨院でのアプローチまで解説します。
肩甲骨が痛い原因とは?整骨院が解説

「背中の真ん中あたりがズキズキする」「肩甲骨の内側がいつもこっている」というお悩みは整骨院でもとても多いです。肩甲骨まわりには多くの筋肉が集まっているため、さまざまな原因で痛みが起こりやすい部位です。
肩甲骨まわりの筋肉が原因のケース
肩甲骨まわりには菱形筋(りょうけいきん)・僧帽筋(そうぼうきん)・肩甲挙筋(けんこうきょきん)・前鋸筋(ぜんきょきん)など多くの筋肉が付着しています。これらの筋肉が長時間の同一姿勢・過度な運動・ストレスなどで過緊張すると、肩甲骨まわりにこり・重だるさ・痛みが生じやすくなるとされています。整骨院の現場でもデスクワーカーや育児中の方にこのタイプの肩甲骨の痛みが多い印象があります。
胸椎(背骨)の動きが低下しているケース
胸椎(きょうつい:背中の骨)の動きが硬くなると、その周辺の筋肉や肋骨・肩甲骨への負担が増すとされています。猫背が続くと胸椎の可動性が低下しやすく、肩甲骨が正しい位置に保てなくなることで痛みが起こりやすくなるといわれています。
内臓疾患・その他が原因のケース
肩甲骨まわりの痛みは筋肉・骨格だけでなく、胆のう炎・狭心症・胸膜炎など内臓疾患が原因になることもあるとされています。「安静時でも続く強い痛み」「発熱・息苦しさを伴う」「右肩甲骨下の鋭い痛み」「左肩甲骨まわりの締め付けるような痛み」がある場合は、まず医療機関を受診されることをおすすめします。
肩甲骨の痛みを悪化させる姿勢・習慣

「なぜ肩甲骨がこんなに痛くなったんだろう?」と思うことはありませんか。実は日常のちょっとした姿勢や習慣が肩甲骨まわりの筋肉を疲弊させています。
巻き肩・猫背
巻き肩(肩が前に丸まった状態)や猫背は、肩甲骨を外側に引っ張り続けるため菱形筋・僧帽筋中部が過剰に引き伸ばされた状態になるとされています。引き伸ばされた筋肉は酸素不足になりやすく、こりや痛みが生じやすくなるといわれています。スマートフォンの長時間使用・デスクワーク・前かがみでの授乳や抱っこが巻き肩を招きやすいとされています。
同じ姿勢の長時間維持
人の体は動くことで血流が促され、筋肉や関節に酸素・栄養が届くとされています。長時間同じ姿勢を続けると血流が滞り、肩甲骨まわりの筋肉に疲労物質が蓄積しやすくなるといわれています。1時間に1回は肩を回す・立ち上がるなど体を動かすことが予防につながるとされています。
荷物の持ち方・体の使い方のクセ
バッグをいつも同じ側で持つ・利き腕だけを多く使うなど左右非対称な体の使い方が続くと、肩甲骨の高さや傾きに左右差が生まれ、一方の筋肉に負担が集中しやすくなるとされています。整骨院では荷物の持ち方や体の使い方のクセも確認し、アドバイスを行うことがあります。
自宅でできる肩甲骨ほぐしストレッチ3選

「整骨院に行くほどではないけれど、肩甲骨のこりが気になる」という方へ。肩甲骨まわりの筋肉をほぐす簡単なストレッチを3つご紹介します。痛みが強い急性期は無理に行わず、心地よい範囲で行いましょう。
クロスボディストレッチ(肩甲骨外側をほぐす)
①立った状態で右腕をまっすぐ左側へ伸ばします。②左手で右肘を軽く支え、腕を胸に引き寄せます。③右肩甲骨の外側が伸びる感覚を感じながら20〜30秒キープします。④反対側も同様に行います。僧帽筋・菱形筋・棘下筋(きょくかきん)のストレッチに役立つとされており、デスクワークの合間にも取り入れやすいストレッチです。
肩甲骨寄せ運動(菱形筋を活性化)
①椅子に座り、背筋を伸ばします。②両肘を軽く曲げ、両方の肩甲骨をぎゅっと中央に引き寄せます。③5秒キープしてゆっくり戻します。④10〜15回繰り返します。引き伸ばされて弱くなった菱形筋・僧帽筋中部を活性化し、肩甲骨を正しい位置に戻す効果が期待されるとされています。巻き肩の改善にも役立つといわれています。
胸開きストレッチ(胸椎の可動性を上げる)
①椅子に浅く腰かけ、両手を頭の後ろで組みます。②息を吸いながらゆっくり肘を後ろへ開き、胸を張るように伸ばします。③5〜10秒キープしてゆっくり戻します。④5〜10回繰り返します。胸椎の動きを引き出し、肩甲骨まわりの緊張を全体的に緩めるのに役立つとされています。
整骨院での肩甲骨の痛みへのアプローチ

「ストレッチしても肩甲骨のこりがなかなか取れない」「マッサージを受けてもすぐ戻ってしまう」という方は、根本の原因へのアプローチが必要かもしれません。整骨院では体全体のバランスを評価しながら施術を行います。
肩甲骨まわりの筋肉・筋膜へのアプローチ
整骨院では菱形筋・僧帽筋・肩甲挙筋・前鋸筋などに対して手技施術・筋膜リリース・トリガーポイントへのアプローチを行うことがあります。筋肉の硬さや癒着(ゆちゃく)を緩めることで血流が改善し、こりや痛みが軽減しやすくなることが期待されます。
胸椎・肩関節のバランス調整
肩甲骨の痛みは肩甲骨単体の問題でなく、胸椎の可動域低下や肩関節・肋骨のバランスの乱れが関係していることが多いとされています。整骨院では胸椎・肩関節の動きを評価し、関節モビライゼーション(関節の動きを引き出す手技)でバランスを整えるアプローチを行うことがあります。施術経験から、胸椎の動きが改善されると肩甲骨まわりの症状が軽減しやすくなるケースが多い印象です。
姿勢改善・再発予防のアドバイス
肩甲骨の痛みは姿勢のクセが根本にあることが多いとされています。整骨院では施術と並行して、デスクワーク時の正しい座り方・モニターの高さ・肩甲骨を意識したエクササイズなど、日常生活での再発予防につながるアドバイスも行うことがあります。継続的なセルフケアが再発しにくい体づくりにつながるとされています。
肩甲骨の痛みに関するよくある質問

Q. 肩甲骨の内側の痛みは何が原因ですか?
A. 肩甲骨内側の痛みの多くは菱形筋・僧帽筋の過緊張が原因とされています。猫背・巻き肩・長時間のデスクワークで筋肉が引き伸ばされた状態が続くことで生じやすいといわれています。ただし安静時にも続く強い痛みや発熱を伴う場合は内臓疾患の可能性もあるため、医療機関への受診をおすすめします。
Q. 肩甲骨の痛みに湿布は効きますか?
A. 筋肉の緊張や炎症が原因の場合、湿布が一時的な痛みの緩和に役立つことがあるとされています。ただし根本の姿勢・筋肉のバランスを改善しないと繰り返しやすいため、ストレッチや整骨院でのアプローチと組み合わせることをおすすめします。
Q. 肩甲骨の痛みは整骨院で診てもらえますか?
A. 筋肉・胸椎・姿勢が原因の肩甲骨の痛みは整骨院でのアプローチが有効なことがあるとされています。内臓疾患が疑われる場合は医療機関をご案内することもありますので、まずはお気軽にご相談ください。
Q. 肩甲骨が痛いとき、温めるのと冷やすのどちらがいいですか?
A. 急性期(痛みが出てすぐ・炎症がある状態)はアイシングで冷やすことが推奨されることが多いとされています。慢性的なこりや重だるさには蒸しタオルや入浴で温めて血流を促すほうが楽になりやすいといわれています。どちらか迷う場合は専門家にご相談ください。







