背中の痛みとは、肩甲骨(けんこうこつ)まわりから腰の上あたりにかけて生じる痛み・張り・だるさの総称です。デスクワークやスマートフォンの使い過ぎによる姿勢の乱れが主な原因とされており、幅広い年代に多くみられる悩みです。
この記事では、背中の痛みの原因・症状の特徴・整骨院でのアプローチ・自宅でできるセルフケアまでを、現場の施術経験をもとに解説します。
背中の痛みの原因|なぜ背中が痛くなるの?

「背中がずっとだるくて重い感じがする…」という方が整骨院によく来られます。背中の痛みの原因はいくつかのパターンがあるので、一緒に確認してみましょう。
姿勢・筋肉由来の背中の痛み(最多)
背中の痛みの多くは、姿勢の乱れや筋肉の疲労・緊張が原因とされています。
- 猫背・巻き肩:頭が前に出た姿勢が続くと、首から背中にかけての筋肉(僧帽筋・菱形筋・脊柱起立筋など)に継続的な負担がかかるといわれています。
- 長時間のデスクワーク・スマートフォン使用:同じ姿勢を続けることで胸椎(背中の骨)の動きが低下し、筋肉が硬くなりやすくなるとされています。
- 肩甲骨の動きの低下:肩甲骨まわりの筋肉が弱くなると、肩甲骨が外に開いた状態(翼状肩甲)になりやすく、背中への負担が増えるといわれています。
内臓疾患が原因のこともある
背中の痛みは筋肉・骨格だけでなく、内臓の疾患が原因になることもあります。腎臓・膵臓・胆のう・心臓などの疾患で背中に関連痛(かんれんつう)が出るケースもあるといわれています。発熱・吐き気・息苦しさなどを伴う場合は、内科・医療機関への受診をおすすめします。
胸椎のゆがみ・可動域の低下
胸椎(背中の12個の骨)は本来ある程度の柔軟性をもつ部位ですが、長期間の不良姿勢によって動きが低下しやすくなるといわれています。胸椎の動きが悪くなると、首や腰への負担が増えて全体的な体の不調につながりやすくなるとされています。
背中の痛みの症状チェック|こんな症状はありませんか?

「背中の痛みと一口に言っても、場所や出方が人それぞれ違う」とよく言われます。どのタイプに当てはまるか確認してみてください。
筋肉・姿勢由来によくある症状
姿勢・筋肉の問題が原因の背中の痛みに関連しやすいとされる症状は次のとおりです。
- 肩甲骨のあいだがズキズキ・ジワジワ痛む
- 長時間座っていると背中が重くなる
- 前かがみや猫背の姿勢で痛みが増す
- 深呼吸すると背中につっぱり感がある
- 朝起きたとき背中がこわばっている
背中の痛みの位置による違い
背中の痛みは出る場所によっても原因が異なるとされています。肩甲骨まわりは猫背・巻き肩が多く、背中の中央あたりは胸椎のゆがみや内臓由来のこともあるといわれています。脇に近い部分の痛みは肋間神経痛と重なるケースもあります。
こんな場合は早めに受診を
以下のような症状を伴う場合は、整形外科や内科への受診をおすすめします。
- 安静時でも強い痛みが続く・夜間に悪化する
- 発熱・体重減少・倦怠感などの全身症状がある
- 腕や手にしびれ・脱力感がある
- 胸の痛みや息苦しさを伴う
整骨院での背中の痛みへのアプローチ

「整骨院では背中の痛みにどんなことをしてもらえるの?」とよく聞かれます。姿勢・筋肉由来の背中の痛みには整骨院でのアプローチがとても有効だといわれています。
姿勢・胸椎の評価
整骨院ではまず、猫背・巻き肩の程度・胸椎の可動域・肩甲骨の動きなどを確認します。背中の痛みは首や腰の問題と連動していることも多いため、体全体のバランスを評価したうえで施術の方針を立てます。
肩甲骨まわり・胸椎へのアプローチ
肩甲骨まわりの筋肉(菱形筋・僧帽筋中部・前鋸筋など)の緊張をほぐし、肩甲骨の動きを引き出すことで、背中への負担が軽減されやすくなるといわれています。また、胸椎の可動性を高めるアプローチを合わせることで、首・腰への連鎖的な負担も改善しやすくなるとされています。
姿勢改善・日常生活アドバイス
整骨院では施術とあわせて、デスク環境の整え方・スマートフォンの持ち方・肩甲骨を使った正しい姿勢の保ち方などをお伝えしています。日常の姿勢習慣が変わることで、施術の効果が持続しやすくなるといわれています。
自宅でできる!背中の痛みのセルフケア

「デスクワーク中にできるケアはありますか?」という質問もよくいただきます。仕事の合間に取り入れやすいものをご紹介しますね。
胸を開くストレッチ(ドアフレームストレッチ)
ドアの枠に両腕(肘を90度に曲げた状態)を当て、片足を一歩前に出しながら胸を前に押し出すようにします。胸から肩の前面にかけて伸び感を感じたら20〜30秒キープ。猫背・巻き肩で縮んだ胸まわりの筋肉をほぐすとされるストレッチで、肩甲骨が本来の位置に戻りやすくなるといわれています。
肩甲骨の寄せエクササイズ
椅子に座り、両腕を体の横に下げた状態で肩甲骨を背骨に向かってギュッと寄せます。5秒キープして力を抜く。これを10〜15回繰り返します。肩甲骨まわりの筋肉を活性化させ、猫背の改善につながるとされるシンプルなエクササイズです。デスクワークの合間に取り入れやすいためおすすめです。
タオルを使った胸椎ストレッチ
バスタオルを丸めて横向きに置き、肩甲骨の下(胸椎の中部あたり)にくるように仰向けに寝ます。両手を頭の後ろで組み、ゆっくり上体を後ろへ倒して20〜30秒キープ。胸椎の可動性を高めるとされるストレッチで、深呼吸がしやすくなる・背中の張りが和らぐと感じる方が多いとされています。
背中の痛みに関するよくある質問

Q. 背中の痛みは放置しても大丈夫ですか?
A. 筋肉・姿勢由来の軽い背中の張りであれば、セルフケアで状態が改善するケースもあるといわれています。ただし、痛みが長引く・繰り返す・発熱などを伴う場合は専門家に相談されることをおすすめします。
Q. 背中の痛みにマッサージはいいですか?
A. 筋肉の緊張をほぐす意味では有効なこともあるといわれています。ただし、炎症が強い時期や内臓疾患が原因の場合はマッサージが逆効果になることもあるため、原因を確認してから行うことをおすすめします。
Q. 背中の痛みと肩こりは関係がありますか?
A. 深く関係しています。肩こりの原因となる猫背・巻き肩は背中の筋肉への負担にも直結しており、肩こりと背中の痛みを同時に抱えている方も多くいます。肩甲骨まわりの柔軟性を高めることで、両方の改善につながりやすくなるといわれています。
Q. 背中の痛みに温める・冷やすどちらがいいですか?
A. 慢性的な背中の張りやだるさには温めることで血流が改善し、筋肉の緊張がほぐれやすくなるといわれています。急激な痛みや打撲の直後は冷やすことが有効とされています。判断が難しい場合は整骨院にご相談ください。







