前鋸筋とは、脇の下から肋骨にかけて走る筋肉で、肩甲骨を安定させる重要な役割を担っているとされています。あまり聞き慣れない筋肉ですが、肩こりや猫背・肩甲骨のゴリゴリ感に悩む方には深く関係しているといわれています。本記事では、前鋸筋の働き・硬くなる原因・ほぐし方・ストレッチについて、整骨院の視点からわかりやすく解説します。
前鋸筋とは?その場所と役割

「前鋸筋って何ですか?どこにある筋肉なんですか?」というご質問をよくいただきます。まず場所と役割をお伝えしますね。
前鋸筋の場所と構造
前鋸筋は脇の下から肋骨の側面にかけて走り、肩甲骨の内側縁(脊椎側)に付着している筋肉とされています。ノコギリの刃のようなギザギザの形状が特徴で、英語では”Serratus Anterior”と呼ばれています。体の側面、ちょうどわき腹の上あたりを触ると感じることができる筋肉です。
前鋸筋の主な働き
前鋸筋の主な働きは、肩甲骨を肋骨に引きつけて安定させること・肩甲骨を外側前方に引き出すこと(腕を前方に伸ばすときに働く)・肩甲骨を上方に回転させることで腕を高く上げる動作を補助することとされています。前鋸筋が十分に働いていると、肩甲骨が安定して腕の動きがスムーズになるといわれています。一方、弱くなったり硬くなったりすると、肩こり・肩甲骨の浮き上がり(翼状肩甲)・腕の可動域制限などにつながる可能性があるとされています。
前鋸筋が硬くなる・弱くなる原因

「デスクワークが多くなってから肩甲骨周りが重くなりました。前鋸筋が関係していますか?」というご相談もよくあります。
デスクワークや姿勢の影響
長時間のデスクワークやスマートフォンの操作が続くと、胸が内側に入り込んだ「猫背姿勢」になりやすいとされています。この姿勢では前鋸筋が伸びたままの状態が続き、筋力が低下したり、肩甲骨が正しい位置に保ちにくくなったりするといわれています。その結果、肩甲骨まわりのこりや肩こりが起きやすくなるとされています。
スポーツや運動による疲労
水泳・野球・テニスなど腕を大きく使うスポーツでは、前鋸筋への負担が大きいとされています。十分なケアをしないまま練習を続けると、前鋸筋に疲労が蓄積しやすいといわれています。また、プッシュアップ(腕立て伏せ)などのトレーニングを過度に行った際も張りが出やすいとされています。
前鋸筋のほぐし方・ストレッチ方法

「自分でできるほぐし方を教えてほしいです」というご要望をよくいただきます。自宅でできるセルフケアをご紹介します。
ウォールプッシュでの前鋸筋活性化
壁の前に立ち、両手を肩幅に広げて壁につきます。肩甲骨を寄せないように意識しながら、脇を締めて壁をゆっくり押すことで前鋸筋を働かせるとされています。この動作を10〜15回×2セット程度行うと、前鋸筋の機能改善に役立つといわれています。
側面ストレッチ
背筋を伸ばして立ち、片腕を頭上に持ち上げて反対方向に体を側屈すると、脇腹から前鋸筋にかけてのストレッチが感じられるとされています。20〜30秒キープを左右2〜3回行うことで、前鋸筋の柔軟性を保つのに役立つといわれています。痛みが出るほど引っ張らず、気持ちよい範囲で行うことが大切とされています。
整骨院での前鋸筋への施術アプローチ

「整骨院で前鋸筋を診てもらえますか?」というご相談をいただくことがあります。整骨院では、前鋸筋の状態に合わせた施術を提供しています。
手技療法によるアプローチ
整骨院では、前鋸筋やその周辺の筋肉(大胸筋・菱形筋・僧帽筋など)の緊張をほぐす手技療法が行われることが多いとされています。肩甲骨の動きを確認しながら、正しい位置に肩甲骨が安定するよう調整する施術が行われるといわれています。
姿勢指導と運動療法
前鋸筋の機能低下には姿勢の悪化が深く関係していることが多いとされています。整骨院では、日常生活での姿勢の取り方や、前鋸筋を適切に使うためのエクササイズ指導も行われることが一般的です。継続的なケアによって肩甲骨まわりの安定性が改善しやすくなるといわれています。
よくある質問(FAQ)

Q. 前鋸筋が原因で肩こりになりますか?
A. 前鋸筋の機能が低下すると、肩甲骨の安定性が下がり、周囲の筋肉(僧帽筋や菱形筋など)に過剰な負担がかかりやすくなるとされています。その結果、肩こりが起きやすくなるといわれています。肩こりの原因が前鋸筋にある場合もあるため、整骨院での評価を受けてみることをおすすめします。
Q. 前鋸筋のストレッチは毎日やってもいいですか?
A. 痛みのない範囲であれば、毎日行うことで柔軟性の維持・改善に役立つとされています。ただし、炎症や強い痛みがある状態では無理に行わず、専門家に相談することをおすすめします。
Q. 前鋸筋と肩甲骨のゴリゴリ音は関係ありますか?
A. 肩甲骨を動かしたときのゴリゴリ感(肩甲胸郭関節の異音)には、前鋸筋の機能低下や周囲の筋肉の硬さが関係していることがあるとされています。整骨院で肩甲骨の動き全体を評価してもらうことで、原因に合ったアプローチが受けやすくなるといわれています。







